米大手辞書メリアム・ウェブスターが発表した「2025年の言葉(Word of the Year)」は、AI生成の低品質コンテンツを指すスラング「Slop(スロップ)」でした。
公式の定義は「AIによって大量生産された低品質なデジタルコンテンツ」で、YouTubeの偽映画予告やSNS上のフェイク動画、粗雑な自動生成記事など、ここ数年ネットを埋め尽くしている”ゴミ情報”を象徴する言葉として選ばれています。
「Slop」とは何か:定義と由来

メリアム・ウェブスターはSlopを「AIによって通常大量に生成される、低品質なデジタルコンテンツ」と定義し、フェイクニュース風動画、歪んだ広告画像、作りの荒いAI本やスパム記事などを具体例として挙げています。
語源としては18世紀の「ぬかるみ」や19世紀の「豚の餌・残飯」といった意味から転じ、「価値の低いもの」「くだらないもの」を指す俗語として使われるようになり、2020年代に入ってからAIコンテンツへの蔑称として定着しました。
なぜ2025年に「Slop」が選ばれたのか
2025年はテキスト・画像・動画まで含めた生成AIの普及で、検索結果やSNSタイムラインがAIコンテンツで溢れ、「人間の手による情報がどこにあるのか分かりにくくなった」ことが大きな社会的テーマになりました。
辞書側も「AIの危険性を恐怖ではなく嘲笑と皮肉で表現する言葉」としてSlopが広く使われている点を評価し、「AIはすべてを置き換えるほど賢いわけではない」という社会感情を象徴する語として選んだと説明しています。
「AI Slop」という概念と特徴
研究者や技術メディアは「AI Slop」を、生成AIで量産される「浅く、使い回しで、意味の薄いコンテンツ」の総称として扱い、スパムやクリックベイトの進化版だと指摘しています。
特徴としては「とにかく量優先」「事実の精度よりアルゴリズム受け」「既存コンテンツの焼き直し」「広告収益やアフィリエイト目的」が挙げられ、SNS・検索・ECレビュー・電子書籍などあらゆる領域に広がっていると分析されています。
X(旧Twitter)での「Slop」めぐる声
X上では、AI動画や不自然な商品画像に対して「これ完全にslopだろ」「タイムラインがslopまみれでしんどい」という自嘲混じりのポストが英語圏を中心に増え、ミーム化しています。
テック系メディアPC Gamerは「Merriam-Websterの2025年Word of the Yearは『Slop』で、AI生成コンテンツで特にひどかった12ヶ月を要約している」と投稿し、業界全体の空気を代弁しています。
また、テックニュースアカウントTCHCLRは「今日のニュース:メリアム・ウェブスターが『slop』を2025年の言葉に選出。AIによって大規模に生産される低品質デジタルコンテンツの急増を表している」とシンプルに事実を伝え、多くの共感を呼んでいます。
Vladimir Savićは「低品質なAI/LLMコンテンツに対する軽蔑的な言葉『Slop』が、メリアム・ウェブスター2025年のWord of the Year」と投稿し、#AI #LLM #slop #zeitgeistのハッシュタグとともに時代精神を捉えた表現だと評価しています。
一方でマーケター側には「ユーザーは最終的に”ちゃんと作られたコンテンツ”を選ぶので、Slopは自然淘汰される」という楽観的な見方もあり、「AIはクリエイティブを拡張する道具であって、Slopをばらまくための装置にすべきではない」との論調も見られます。
過去の「ゴミコンテンツ」騒動とSlopの連続性
2023年には米テックメディアCNETが金融記事をAIで大量生成したところ、誤情報や盗用が多数見つかり、AI自動配信の一時停止と編集長退任に追い込まれる事件が起きました。
またSF誌ClarkesworldがAIによる短編の”投稿爆撃”で募集停止に追い込まれた事例など、Slop以前から「楽して稼ぐためのAIコンテンツ」がメディアや創作の現場を混乱させてきた歴史があり、2025年のWord of the Yearはこうした流れの延長線上にあります。
「Slop時代」にクリエイターとメディアが学ぶべきこと

マーケティング業界の調査では、Z世代の約半数が「AI生成コンテンツは好きではない」「人間が作った本物らしいコンテンツを好む」と回答しており、「AIで増幅された創造性」には好意的だが「コピペ量産Slop」には明確な拒否反応を示しています。
専門家は「Slopの対極にあるのは”誰が・なぜ・どの経験から語っているか”が伝わるクリエイターコンテンツ」であり、AIはリサーチや下書き、翻訳など”裏方”として活用しつつ、最終的な編集と責任は人間が持つべきだと提言しています。
まとめ:Slopを避けるブログ運営のポイント
- 一次情報(体験・取材・検証結果)を必ず入れて「どこにもない視点」を足すこと。
- AIには構成・草案・翻訳などを任せつつ、最終原稿は人間がチェックし、事実確認と文体調整を行うこと。
- 引用元や出典を明示し、読者が検証できる形でリンクや情報源を提示すること。
2025年の「Slop」は、単なるネットスラングではなく、「AI時代にどんな情報を作り、どんな情報を信じるのか」という問いそのものを突きつけるキーワードになっています。


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