2026年9月30日、22時42分。スマホが震えた。Xの通知を開いた瞬間、私は思わず「え、今?」と声が出た。その日はNissyこと西島隆弘さんの40歳の誕生日。お祝いのタイムラインがまだ温かい時間帯に、公式アカウント「Nissy_staff」から「第4弾」の文字が飛び込んできたのです。
「Nissy Birthday Entertainment 2026」の第4弾として発表されたのは、『Nissy Christmas Party』。2026年12月、札幌・大阪・名古屋・東京・福岡の5都市で、老舗ホテルを会場にしたクリスマスパーティーです。チケットは5万円(税込)。そして、発表の最後にこう添えられていました。
「※喉のコンディションを慎重に見守っておりますため、本イベントでは歌唱の予定はございません」
……歌わない。5万円で、歌わない。一瞬、頭が「?」でいっぱいになったのは、私だけじゃないはずです。でもこのポストには、開始から間もなく5,692件のいいね、845件のリポスト、17.5万回以上の再生が集まりました。リプライ欄はというと——
「ねええええええ😭😭😭ありがとうありがとうありがとう」
「生きる希望がもてました。ありがとうございます😭😭😭」
「嬉しすぎて夢みたいで涙あふれました💘」
泣いてる。みんな、本気で泣いてるんです。高級ホテルで5万円を払って「歌わない推し」に会いに行く。一見すると意味不明なこのイベントに、なぜ大人のファンがここまで心を揺さぶられているのか。今日はその「意味不明」の正体を、発表内容と数字を突き合わせながら、じっくり解きほぐしていきたいと思います。
きっかけのポストはこちら。
誕生日の夜に届いた「第4弾」——ファンが生きる希望と叫ぶ瞬間
まずイベントの中身を整理しましょう。Nissy Entertainment Park 公式ニュースによると、『Nissy Christmas Party』は、京王プラザホテル札幌(12月8日)、帝国ホテル大阪・孔雀の間(12月14日)、名古屋観光ホテル・那古の間(12月19日)、ホテルニューオータニ・鶴の間(12月20日)、ホテル日航福岡・都久志の間(12月24日)の5会場で開催。各部は1部(11:00開場・13:00イベントスタート)と2部(17:30開場・19:30スタート)の2部制で、ホテルのコース料理とお飲み物が付きます。推しの誕生日(9月30日)の夜に、クリスマスイブの公演まで予定された、まさに「節目の1年」の掉尾を飾るイベントです。

チケットは全席指定で5万円(税込)。来場者限定のオリジナルグッズ付き。一方で、申し込みは「Nissy Entertainment Park(NEP)」会員限定の抽選制で、1人2枚まで。同行者も会員であることが必須です。受付は2026年10月1日(木)15:00から10月6日(火)23:59まで、当落確認と入金は10月20日(火)12:00から10月25日(日)23:59まで。先着順ではなく抽選なので、受付期間中に申し込めばチャンスは平等、というのが運営のスタンスです。
正直、最初にこの数字を見たときの私の感想は「高っ」のひとことでした。5万円といえば、ホテルの最上級ディナーコースが余裕で2回食べられる金額。それが「歌唱なし」で、しかも全席円卓の相席。リプライ欄の涙と、このドライな条件設定のギャップに、私はむしろ「何か裏があるのでは」と勘ぐってしまった。でも、ここ数年のNissyの歩みを知った瞬間、その違和感は一気に「なるほど」に変わりました。
なぜ“歌わない”のか——4度目の声帯手術と、6万3000人が笑った「歌わない2時間」
話は少し遡ります。Nissyは2024年11月から2025年3月にかけて、全国6大ドームを巡るツアーを開催し、計45万人を動員。ソロアーティスト史上初の「2度目の6大ドームツアー」を成し遂げた直後の2026年2月、4度目となる声帯の手術を受けました。「少し長期的な治療および療養が必要」——公式からそう発表されたとき、ファンはもちろん、私も画面の前で固まりました。そして同年、喉の治療に専念するためAAAからの脱退も発表されています。推しの「声」が、体が、ここまで追い込まれていたんだ、という事実に、胸がぎゅっと締め付けられる思いでした。

それでも彼は、止まらなかった。2026年9月18日から23日まで、神奈川・ぴあアリーナMMで開催された『Nissy Entertainment Variety Show 〜歌えなくても、エンタメってあったじゃん!〜』。タイトルからして泣けるんですが、この「歌わないイベント」に、実に約6万3000人が集まったんです(宮崎日日新聞社の報道)。5日間7公演。9月21日は台風25号の影響で1公演が中止になるというトラブルもありましたが、超特急ら豪華ゲストも駆け付け、Nissy本人はこう語ったといいます。「歌えなくても皆さんの“会いたい”という声と、僕の“会いたい”という気持ちがあって、こういうエンタメを開催した」と。
これは例えるなら、割れたままの高級茶碗に、金継ぎを施して使い続けるような話だと思うんです。傷を隠すのではなく、傷ごと愛でる。歌という最大の武器を失っても、トークとゲームと体当たりで6万3000人を笑わせた。だったら12月は、クリスマスディナーを囲みながら、もっと近い距離で「今のNissy」と過ごす時間を提供しよう——そう読むと、5万円の設定も「納得はしないけど、理解はできる」気持ちになってきます。コンビニのコーヒーで我慢するか、それとも老舗ホテルのコースに5万円払うか。推し活の価値観は、人それぞれの「会いたい」の形で決まるんだな、と痛感しました。
5万円の価値を天秤にかける——「歌う」と「歌わない」のガチ比較
とはいえ、5万円は5万円。そこで、実際に経験した人の声や公表されている条件をもとに、「今のNissyに会える選択肢」を表にしてみました。あくまで体感ベースの比較です。
| イベント | チケット相場 | 時間・中身 | ここが嬉しい | やってみた本音・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 通常のアリーナ/ドームライブ(過去のNissy公演) | 9,000〜12,000円程度 | 2〜3時間・全編歌唱 | 歌が聴ける・演出が豪華 | 激戦必至で当たらない。体力の消耗も半端ない |
| 『Nissy Christmas Party』(本イベント) | 50,000円(税込)・グッズ付き | コース料理+イベント約2.5時間・歌唱なし | 至近距離で「今のNissy」と同じ時間を過ごせる | 抽選・会員限定・返金不可・円卓相席。5万円を体験費と割り切れるかが全て |
| 一般的な老舗ホテルのディナーショー(他アーティスト) | 15,000〜35,000円程度 | 食事+ステージショー | 格式と料理がちゃんと美味い | アーティストによって当たり外れが大きい |
| ファンミーティング/トークイベント | 6,000〜12,000円 | 1〜2時間・トーク中心 | リーズナブルで気軽 | 距離感は大きめ。抽選で外れると本当に何もない |
| オンライン生配信イベント | 3,000〜6,000円 | 1〜2時間・自宅で鑑賞 | 全国どこからでも参加できる | 画面越しの熱量は、やっぱり現地には敵わない |
この表で私が一番グッときた数字は、やはり「50,000円」と「歌唱なし」の組み合わせです。1時間あたりに換算すると約2万円。ただ、その代わりに付いてくるのは、帝国ホテルやホテルニューオータニのコース料理、来場者限定グッズ、そして何より「転売防止のための徹底した本人確認」です。運転免許証やマイナンバーカードでの本人確認が必須で、申込時に登録した情報と少しでも相違があると落選対象になります。つまりこの5万円は、記憶に残る「時間」と「安心」に払うお金であって、もはや音楽イベントのチケット代ではない。そう考えると、奇妙なくらい整合性が取れているんですよね。
申し込む前に知っておきたい、現場の“泥臭い”注意点5つ
ここからは実務編です。私が公式発表(注釈の細かいことまで全部)を読み込んで、「これは知らないと詰む」と思ったポイントを5つに絞ってお伝えします。
1. 同行者の登録情報は「完全一致」でないと落選する。 漢字・ひらがな・ローマ字表記のどれで登録したかまで、NEPの会員情報と一致している必要があります。「あれ、苗字カタカナだったっけ?」——この1秒の不安が命取りになります。申し込み前に、自分の会員登録情報を必ず確認しましょう。
2. 顔写真付き身分証明書が絶対条件。 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどが必須。しかも会場ではスマートウォッチの装着禁止、双眼鏡は録音録画ができない仕様だと確認が取れないと使用不可、と入場チェックが異常に厳しめです。「推しに会うのに身分証?」と思うかもしれませんが、これも転売を許さないための防波堤。割り切るしかありません。
3. チケットはスマホアプリ「AnyPASS」限定。 申し込み時に登録した電話番号の端末でしか受け取りができません。同行者への分配にも、相手側のAnyPASS登録が必要です。「当日スマホ忘れた」は即アウト。公演日まで機種変更や番号変更もしない方がいい、というレベルです。
4. キャンセル・払い戻し・リセールは一切不可。 理由の如何を問わず、購入後のキャンセル・変更・払い戻しはできません。特定興行として販売され、主催者の同意なしの有償譲渡も禁止。つまり「当たったけど行けなくなった」が、そのまま5万円の消失に直結します。申し込む前に、12月の自分の予定を本当に確認してください。私もここは一番ビビりました。
5. 福岡は会員抽選のみ、他4都市はホテル販売(11月14日10:00〜)もあり。 札幌・大阪・愛知・東京の4公演は、若干数ですが後日ホテル主催販売のチケットが出ます(11月14日10:00〜予定)。福岡(ホテル日航福岡)だけは会員抽選のみという違いも。会員じゃない人が諦めるのは、まだ早いかもしれません。ただし、いずれも抽選・先着の狭き門であることは覚悟しておいてください。
ぶっちゃけ読者が気になる疑問(FAQ)
Q1. 歌わないのに5万円?正直、当日は何が起きるの?
A. 公式発表で確実なのは「ホテルのコース料理とお飲み物」と「Nissyの出演(イベントスタートから)」、そして歌唱がないことだけ。内容の詳細は明かされておらず、おそらくは9月のVariety Show路線、つまりトークやゲーム中心の構成になるでしょう。「食事付きの“会いに行く”イベント」と理解するのが正解です。しかも抽選制なので、外れればお金はかかりません。入金後に返金不可なのは、申し込む前の心積もりとして肝に銘じておいてください。
Q2. 喉は今どうなってるの?もう二度と歌えないの?
A. 2026年2月に4度目の声帯手術を受け、現在もリハビリ中です。AAAからの脱退も発表されましたが、これは「治療専念のため」という理由付けであり、Nissy自身は「歌えなくても、エンタメってあったじゃん」と、歌わない形での表現を続けています。復帰時期は未定ですが、9月のイベントに約6万3000人が集まった事実を見ると、待っている人は本当に多い。無理をせず、彼のペースで戻ってきてくれるのを待つのが、ファンにできる最善策だと思います。
Q3. ファンクラブに入ってないと無理?当たる気がしないんだけど……
A. 抽選受付(10月1日15:00〜10月6日23:59)はNEP会員限定ですが、受付期間内に入会(=入金)した人も申し込めます。同行者も会員である必要があるので、2人で行くなら2人分の会員登録が必要です。会員じゃない人は、札幌・大阪・愛知・東京の4公演で予定されているホテル主催販売(11月14日10:00〜、若干数)を狙う手もあります。倍率は非公開ですが、5万円という価格帯が「ガチ勢」以外への自然なフィルターになっているので、実は一般イメージほどカオスではないかもしれません。
まとめ——“会いたい”は、歌よりも先に届く
ここまで読んで、あなたはどう感じましたか。「5万円は高い」と思うのも、「それでも行きたい」と思うのも、どちらも正しいと思います。私自身は、最初こそ「歌わないのに5万円?」と首をかしげましたが、4度の手術を経てもなお「会いたい」を形にし続ける姿勢を知って、考えが変わりました。このイベントの本当の値段は、チケット代ではなく「会いに行くことを諦めない」という、ファンとアーティストの共同作業なのかもしれません。

もし1歩踏み出すなら、まずは今日(10月1日)15:00から始まる抽選受付に合わせて、自分のNEP会員情報を確認してみてください。登録情報と申込情報の「完全一致」が最初の関門です。抽選申し込みの締め切りは10月6日(火)23:59。悩んでいる時間は、意外とありませんよ。
推しの歌は、いつかまた聴ける日が来るかもしれない。でも「今、この瞬間の推しに会いに行く」チャンスは、今しかない。この冬、忘れられない思い出を作りに行く人が、少しでも多く当選しますように。私も、こっそり祈っています。


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