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「PS2版の方が良かった?」次世代機移行期に生まれた“別ゲー”現象が話題に

ゲーム技術が飛躍的に進化した2000年代後半。PlayStation 2(PS2)からPlayStation 3(PS3)やXbox
360への移行期には、同じタイトルでありながら、ハードの性能差ゆえに「全く異なるゲーム」として開発された作品が数多く存在しました。

最近、X(旧Twitter)でこの「奇妙な時代」に焦点を当てたポストが大きな話題を呼んでいます。

話題の発端となったポスト

https://twitter.com/DomainDead/status/2011900302274998565

投稿者の dead domain (@DomainDead) 氏は、「現在の私の“過集中”対象は、Xbox
360タイトルと同時に作られたものの、全く別物(そしてしばしば劇的に劣る)だったPS2ゲームの奇妙な時代だ」と語り、4枚のゲームパッケージ画像を投稿しました。

  • 『インディ・ジョーンズ・アンド・ザ・スタッフ・オブ・キングス』
  • 『マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス』
  • 『スター・ウォーズ フォース アンリーシュド』
  • 『Call of Duty: World at War Final Fronts』

この投稿は瞬く間に拡散され、当時のゲーマーたちから「実はPS2版の方が面白かった」「懐かしい」といった多くの反応が寄せられています。今回は、このポストで挙げられたタイトルを中心に、なぜこれらの“別ゲー”現象が起きたのか、そしてなぜ一部のファンに愛され続けているのかを深掘り解説します。

描画エンジンの違いが生んだ「別々の進化」

当時のマルチプラットフォーム展開において、開発会社が直面した最大の課題は「ハードウェア性能の断絶」でした。Xbox
360やPS3はHD画質と物理演算を売りにしていた一方、PS2はSD画質。単なる「画質ダウン」での移植は不可能であり、多くのケースで開発スタジオごと分けるという手法が取られました。

その結果、ストーリーの大枠は同じでも、マップ構成、ミッション内容、さらにはゲームシステムそのものが異なる「別のゲーム」が誕生することになったのです。

スター・ウォーズ フォース アンリーシュド:コンテンツ量のPS2版 vs 物理演算の次世代機版

PS2版 スター・ウォーズ フォース アンリーシュド ジャケット

最も議論を呼ぶのが『スター・ウォーズ フォース アンリーシュド』です。LucasArtsが主導した次世代機版(Xbox 360/PS3)は、当時最新鋭の「Ronin
Engine」に加え、物理演算エンジン「Euphoria」と「DMM」を搭載。ストームトルーパーが何かに掴まって吹き飛ばされる挙動や、鉄板がフォースでひしゃげる表現など、圧倒的な“リアリズム”を追求しました。

一方、Krome Studiosが担当したPS2/Wii/PSP版は、従来のアクションゲームに近い作りでした。しかし、多くのファンが指摘するのは「PS2版の方が遊べる要素が多い」という点です。

PS2版が愛される理由

  • 専用ミッションの存在: 次世代機版ではカットされた「ジェダイ聖堂」での試練や、クラウド・シティ(ベスピン)でのミッションが収録されています。
  • ストーリーの補完: 主人公スターキラーの心理描写や、父親との関係性に触れるシーンが丁寧に含まれており、物語としての完成度が高いと評価する声も少なくありません。
  • ゲームプレイの快適さ: 次世代機版は物理演算重視のため、オブジェクトの挙動が不安定な場面もありましたが、PS2版は「デビル メイ
    クライ」ライクな手堅いアクションゲームとしてまとまっており、爽快感では勝っているという意見もあります。

X上の反応でも、ユーザーの Kercy (@KdeKercy) 氏がこう語っています。

「本気で思うんだけど、PS2版の『フォース アンリーシュド』はPS3版よりずっと良かった。次元が違うくらいにね」

グラフィックの進化が必ずしも「ゲームとしての面白さ」に直結しなかった好例と言えるでしょう。

マーセナリーズ2:広大な破壊の代償

オープンワールドアクション『マーセナリーズ2』もまた、ハード間の格差に苦しんだタイトルです。Xbox 360版は、前作から大幅に強化された爆発エフェクトや、オンライン協力プレイが売りでした。

対するPS2版は、前作「マーセナリーズ」のエンジンを流用して作られました。そのため、マップのスケールやミッションの自由度は制限され、ビジュアル面でも「前作の拡張版」といった趣が強くなっています。

しかし、ここでも「シンプルさ」を評価する声があります。次世代機版に存在した複雑なバグが少なく、前作のファンにとっては「変わらない操作感」で遊べる安心感がありました。big boy synthetique
(@ajbends)
氏はシンプルにこう反応しています。

「マーセナリーズは最高だったな(Mercenaries was f***ing awesome)」

技術的な野心よりも、安定した面白さを提供できたかどうかが、プレイヤーの記憶に残る鍵だったのかもしれません。

インディ・ジョーンズと幻の次世代機版

話題に挙がった『インディ・ジョーンズ・アンド・ザ・スタッフ・オブ・キングス』は、さらに特異な運命を辿りました。実はこのゲーム、本来はXbox 360/PS3向けに野心的なAAAタイトルとして開発されていたのです。

しかし、開発難航の末に次世代機版はキャンセル。結果として、Wii向けに作られたバージョンをベースにPS2へ移植されたものだけが世に出ることになりました。つまり、比較対象となる「リッチな次世代機版」が存在しないのです。

Xユーザーの Alex St. Vincent (@dopagenic) 氏は、このタイトルのベストバージョンについて鋭い指摘をしています。

「ちなみにPSP版がベストだよ。PS2版はWii版の移植で、操作を無理やり割り当てただけだし、ストーリーも半分欠けてるからね」

このように、同じタイトル名でも「Wii版」「PS2版」「PSP版」で中身がバラバラという、現代では考えにくいカオスな状況が当たり前のように存在しました。

その他のおすすめ「バージョン違い」ゲーム

今回のポストでは触れられていませんが、この現象を語る上で外せない名作が他にもあります。

スプリンターセル 二重スパイ (Splinter Cell: Double Agent)

この現象の代表例としてよく挙げられるのが『スプリンターセル 二重スパイ』です。Ubisoft上海が開発したXbox 360版は当時の最新グラフィックでしたが、ストーリー展開やミッション構造に賛否が分かれました。

一方、Ubisoftモントリオール(シリーズの生みの親)が手掛けた初代Xbox/PS2版は、名作『カオスセオリー』のシステムを正当進化させたもので、ストーリーも全く異なります。コアなステルスゲームファンからは、「旧世代機版こそが真の続編」と評されることも多い傑作です。

ソニック ワールドアドベンチャー (Sonic Unleashed)

セガのソニックもまた、この洗礼を受けました。PS3/Xbox
360版(通称HD版)に対し、PS2/Wii版(SD版)はステージ構成が別物です。HD版の美しいグラフィックと広大なハブワールドに対し、SD版はアクション重視でテンポが良いマップ構成となっており、どちらを好むかでファンの派閥が分かれるほどです。

まとめ:不自由さが生んだ多様性

当時の「PS2版」は、単なる「劣化版」として片付けられない魅力を持っていました。ハードスペックの制約があるからこそ、開発者は「見た目」ではなく「遊びの密度」や「工夫」で勝負せざるを得なかったのかもしれません。

現代のゲーム開発は、高性能なUnreal
Engineなどの普及により、PCからコンソール、スマホまで「同じ体験」を提供することが容易になりました。それは素晴らしいことですが、かつてのように「ハードに合わせて中身を作り変える」という職人芸的なアプローチが生み出した“歪(いびつ)だが愛おしい作品”たちに出会うことは、もう二度とないのかもしれません。

もし手元に古いPS2があるなら、あえてこれらの「別バージョン」を探してみてはいかがでしょうか。有名な次世代機版とは違う、新たな発見が待っているはずです。


参考リンク:
Domain
Dead氏の投稿 (X)

Star Wars: The Force Unleashed – Wookieepedia
Mercenaries 2: World in Flames – Wikipedia

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