2025年12月、国立がん研究センターが若年層における大腸がんと子宮体がんの増加という衝撃的なデータを発表しました。20歳から50歳未満の若年世代でがんの罹患率と死亡率が共に上昇しているという事実は、多くの人々に衝撃を与えています。従来、がんは高齢者の病気というイメージが強かったものの、今やそれは過去のものとなりつつあります。
若年層のがん増加が世界的な問題に
国立がん研究センターを中心とした国際共同研究チームが、世界44カ国・地域における2000年から2017年までの若年発症がんの動向を分析した結果、驚くべき事実が明らかになりました。日本を含む多くの国や地域で、若年層でのがん罹患率が増加していることが確認されたのです。
特に注目すべきは、女性では大腸がん、子宮頸がん、膵臓がん、多発性骨髄腫が増加し、男性では前立腺がん、大腸がん、腎臓がんなどの罹患率が顕著に増加していたという点です。中でも、子宮体がんは日本、韓国、エクアドル、米国、イギリスで、大腸がんはカナダ、米国、イギリスなどでいずれも罹患率と死亡率が上昇していました。
【プレスリリース】
若年大腸がんと子宮体がんの罹患・死亡の増加を確認
若年発症がんの病態解明が国際的な課題であることを指摘#若年発症がん #子宮体がん #大腸がん— 国立がん研究センター【公式】 (@NCCI_official) December 26, 2024
X(旧Twitter)で話題に
この発表はSNS上でも大きな反響を呼んでいます。医療専門家や一般の人々から、驚きと懸念の声が多数寄せられています。
若年層のがん、世界的に増加中
2003〜2017年の42か国データを解析した国際研究:
・20〜49歳の若年層で6種類のがんが増加:甲状腺・乳・大腸・腎・子宮内膜・白血病
・特に大腸がんは若年層での上昇が際立ち、69%の国で高齢層より増加率が高かったスクリーニングや予防策の見直しが必要 pic.twitter.com/KH9YsXmXTC
— Nobuhiro Ariyoshi MD 認証済み (@AriyoshiMd) October 21, 2024
医師である有吉宣弘氏のポストは6.9万回以上の表示を記録し、多くの人々がこの問題に関心を持っていることがわかります。2003年から2017年の42カ国のデータを解析した結果、20〜49歳の若年層で6種類のがんが増加しており、特に大腸がんは若年層での上昇が際立っていたとされています。
何が原因なのか?食生活と環境要因
では、なぜ若年層のがんが増加しているのでしょうか。専門家が指摘する主な原因は以下の通りです。
1. 食生活の欧米化と超加工食品の増加
日本人の食生活は近年、急速に欧米化しています。高脂肪・低食物繊維の食事は大腸がんのリスクを高めることが知られています。また、超加工食品の摂取増加も深刻な問題です。コンビニ食品やファストフード、インスタント食品などの超加工食品は、腸内フローラを乱し、炎症を引き起こすことががんのリスク上昇につながると考えられています。
特に加工肉の摂取増加は、WHOによって「ヒトに対して発がん性がある」と分類されており、若年層の大腸がん増加との関連が強く疑われています。
2. 肥満と運動不足
現代の若年層は、デスクワークやスマートフォンの普及により、座位中心の生活を送る傾向が強まっています。運動不足は肥満を招き、肥満は多くのがんのリスク要因となります。特に子宮体がんは、肥満との関連が強く指摘されています。
肥満は女性ホルモンのエストロゲンを増加させ、これが子宮体がんのリスクを高めると考えられています。また、出産経験がないことや閉経年齢が遅いことも、子宮体がんのリスク要因として指摘されています。
3. 環境要因と化学物質
環境汚染物質への曝露も、若年層のがん増加の一因として指摘されています。マイクロプラスチックや環境化学物質が体内に蓄積されることで、免疫システムが弱まり、がんの発症リスクが高まる可能性があります。
4. 喜煙・飲酒・ストレス
女性の社会進出に伴い、若い女性の喜煙率や飲酒率が増加していることも、大腸がん増加の大きな原因です。また、ストレスは免疫力を低下させたり、暴飲暴食を引き起こしたり、大腸がんのリスクを上昇させます。
Xでの反響:医療費負担と経済的影響
医療関係者からは、若年層のがんによる経済的影響も指摘されています。
がんや難病など高額な医療を継続的に必要とするのは主に高齢者ではなく現役・AYA世代。
グラフの通り高額療養費は若い世代の医療を支えています。治療を受ければ社会復帰できる可能性があるのに、医療費が負担で… pic.twitter.com/exampleimg
— 佐々木 淳 @医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長 認証済み (@junsasakimdt) January 28, 2025
佐々木氏のポストは31万回以上の表示を記録し、大きな反響を呼びました。高額療養費は主に若い世代の医療を支えており、治療を受ければ社会復帰できる可能性があるのに、医療費が負担で治療を続続できない人が増えていると指摘しています。
実際、国立がん研究センターの調査によると、治療費負担を理由に治療を変更・断念したケースは全体で4.9%ですが、若年層だと11.1%に達しています。若い世代は10人に1人が経済的負担を理由に最適な治療が受けられていないのです。
過去の類似事例と教訓
過去にも若年層のがんに関する警告はありました。1990年代から、米国では50歳未満の大腸がん罹患率が増加しており、現在では新たに発見される大腸がんの10%近くが50歳未満であることが明らかになっています。
特に注目すべきは、ミレニアル世代(1980年代初頭、2000年頃生まれ)が、前の世代と比べて大腸がんの罹患リスクが2倍高いという事実です。これは、彼らの世代がファストフードや超加工食品を幼少期から多く摂取してきたことと関連している可能性が指摘されています。
今すぐできる対策と予防法
若年層のがんを予防するために、今すぐできる対策を紹介します。
1. 食生活の改善
- 野菜、果物、全粒穀物を多く摂取する
- 加工肉や超加工食品を減らす
- 食物繊維を積極的に摂る
- 赤身肉の摂取を週に500g以下に抑える
2. 適度な運動
週に150分以上の中強度の運動(早歩き、ジョギングなど)を行い、座りっぱなしの時間を減らすことが重要です。
3. 適正体重の維持
BMIを普通体重の範囲(18.5〜25)に保つことで、がんリスクを低減できます。
4. 禁煙・節酒
喜煙はもちろん、過度な飲酒も控えることが大切です。
5. 定期的な検診
家族歴にがんがある場合は、通常よりも早い時期から定期的な検診を受けることが推奨されます。米国では45歳からの大腸がんスクリーニングが推奨されています。
まとめ:若いからこそ意識すべきがんリスク
若年層の大腸がん・子宮体がんの増加は、もはや無視できない現実となりました。国立がん研究センターの国際共同研究により、日本を含む世界中でこの問題が深刻化していることが明らかになりました。
食生活の欧米化、超加工食品の増加、運動不足、肥満など、現代のライフスタイルに起因する要因が絡み合っています。しかし、裏返せば、生活習慣を改善することでリスクを低減できるということでもあります。
「がんは高齢者の病気」という固定観念を捨て、若いうちから生活習慣に気を配り、定期的な検診を受けることが、これからの時代を健康に生きるための鍵となるでしょう。

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