古いUSBから100BTC発見!13兤7000万円相当のビットコインウォレット動画が話題に

2025年12月29日、Xで驚きの動画が拡散され大きな話題となっている。男性が古いUSBメモリに保存されていた100BTCのビットコインウォレットを発見し、その様子を撮影した動画が投稿されたのだ。現在のビットコイン相場で換算すると、その価値は13億7000万円に達する。

動画の真偽と注目ポイント

この動画は、男性がUSBメモリを開いて古いビットコインウォレットファイルを発見する様子を映し出している。画面には「I found an old Bitcoin wallet」というテキストとともに、100BTCの残高が表示される。投稿は瞬く間に拡散され、リポスト数は1,200件、いいね数は1,223件、インプレッション数は53万回を超えた。

しかし、暗号資産コミュニティでは、この動画の真偽について慎重な声も上がっている。過去にも同様の「ビットコイン発見動画」が投稿されては詐欺や演出であることが判明したケースが少なくない。

忘れられた暗号資産の驚くべき実例

実は、USBやハードドライブに保存されたビットコインウォレットが忘れられたまま、後に巨額の価値を持つことになった事例は決して珍しくない。過去には数々の有名なケースが報告されている。

ステファン・トーマス氏のパスワード喪失

ドイツ出身のプログラマー、ステファン・トーマス氏は7,002BTCを保有していたが、ビットコインを保存していたIronKeyというUSBドライブのパスワードを忘れてしまった。このデバイスは10回のパスワード試行で永久にロックされる仕組みであり、トーマス氏はすでに8回失敗していた。

2021年当時、7,002BTCは約2億2000万ドル(約230億円)に相当し、トーマス氏は自身の財産にアクセスできない状況に苦しんだ。2023年10月、暗号化解除専門のスタートアップ「Unciphered」がトーマス氏のIronKeyのロック解除に成功したと報じられ、200兆回もの試行を経て不可能とされていた侵入に成功したという。

ジェームズ・ハウエルズの埋め立て地の財宝

イギリスのジェームズ・ハウエルズ氏は、2013年に7,500BTCが入ったハードドライブを誤って廃棄してしまった。当時は数百万ドルの価値だったが、ビットコインの価格上昇により、現在では数億ドルの価値を持つ。

ハウエルズ氏は何度も埋立地の掘削許可を申請しているが、地方自治体は高額な費用と環境リスクを理由に拒否し続けている。この「埋もれた財宝」の物語は、暗号資産の価値と同時に、その管理の難しさを象徴している。

Mt.Gox事件

2014年、当時世界最大のビットコイン取引所だったMt.Goxがハッキング被害を受け、約85万BTCが消失した。このうち約20万BTCは後に回収されたが、残りの65万BTCは現在も行方不明のままだ。

Mt.Goxの破産から10年以上が経過し、債権者への返済が進められているが、失われたビットコインの多くは永久に失われた可能性が高い。

失われたビットコインの総数

ブロックチェーン分析プラットフォームGlassnodeとARK Investの2023年の調査によると、約780万BTCが「貯蔵または紛失」状態にあると推定されている。これはビットコインの総発行量2,100万枚の約37%に相当する。

技術的な理由、ウォレットの紛失、所有者の死亡などにより、総発行量の約20〜40%がアクセス不可能な状態になっているとされている。これは、ビットコインが想像以上に「希少」である可能性を示唆している。

法的権利とセキュリティリスク

ビットコインの所有権

日本の法制度では、ビットコインは「所有権」の対象ではないという見解が一般的だ。民法上、所有権の客体は「有体物」に限定されるため、デジタルデータであるビットコインは所有権の対象にならない。

しかし、ビットコインを保有することによる経済的利益は「法律上保護される利益」として認められており、不正アクセスなどにより盗まれた場合、不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得返還請求が可能だ。

セキュリティリスク

USBメモリやハードドライブにウォレットを保存する「コールドウォレット」方式は、ハッキングリスクを回避できる一方で、物理的な紛失やパスワード忘れによるアクセス不能リスクが高い。

一方、暗号資産交換業者のウォレットに預ける方式は、不正アクセスを受けても業者が補償体制を整えている場合が多く、個人が直接リスクを負う可能性は低い。日本では金融庁の規制により、交換業者は顧客資産の分別管理やコールドウォレット保管を義務付けられている。

独自考察:ビットコインの「希少性の逆説」

今回の100BTC発見動画が真実であれ演出であれ、一つ確実なことがある。それは、失われたビットコインが多いほど、残存するビットコインの価値は高まるという「希少性の逆説」だ。

780万BTCが失われているということは、実質的に流通可能なビットコインは約1,320万BTCに過ぎない。これは、サトシ・ナカモトが設計した2,100万枚という上限よりも、さらに希少性が高いことを意味する。

また、ビットコインの「自己責任」原則は、従来の金融システムとは根本的に異なる。銀行預金であれば預金保険制度があり、証券口座でも投資者保護基金が存在する。しかしビットコインでは、秘密鍵を失えば誰も助けてくれない。

この「厳しさ」こそが、ビットコインが真に「分散型」「非中央集権」であることの証明でもある。誰かに助けを求められる存在がいないということは、誰にもコントロールされないということだ。

まとめ

古いUSBから100BTCを発見したという動画は、真偽はともかく、忘れられた暗号資産という現代のデジタル財宝伝説を象徴している。ステファン・トーマス氏やジェームズ・ハウエルズ氏の事例が示すように、ビットコインの管理には細心の注意が必要だ。

一方で、失われたビットコインが多いほど、残存するビットコインの価値は高まるという皮肉な現実もある。780万BTCが永久に失われているとすれば、ビットコインの真の希少性は当初の想定以上に高い。

ビットコインを保有する際は、秘密鍵のバックアップ、パスワード管理、複数の保管方法の併用など、万全の対策を講じることが不可欠だ。そして何より、「自己責任」というビットコインの本質を理解した上で、この新しい資産クラスと向き合う必要がある。

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